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自然の美しさについて

一般的に、フランス人よりも日本人の方が大自然に対する造詣が深いと思います。

それは宗教の影響かもしれません。
私が思うに、昔の西洋人には、自然とは神 が人間のために創ったものという考えがあると思います。
つまり人間が中心にあるわけです。これにも宗教がかかわっていると思います。もちろん、宗教の影響だけでなく、私が日本で生活するようになり強く感じるのは、日本では、自然の強さを身近に感じることができるということもあると思います。地震や台風など、自然の脅威を日々の生活の中で感じることは、フランスではほとんどありませんでした。また、セミなどの生物の鳴き声はフランスでのそれとは迫力が全く違います。

西洋人は自然に手を加えたり、利用したりしてきましたが、日本では、特に昔は、自然そのままの姿が尊重されているようです。これには神道の影響あると思います。
神道によれば、神は森羅万象に宿るものであり、当然自然にも神が宿っているので自然を尊敬するのです。

庭に例えてお話すると、フランスの庭の特徴はとても幾何学的なことです。
フランスの庭の場合は、人間は庭を幾何学的なものに手を加えて造るものであって、その形は自然の形ではなく、人間の考えた形なのです。
(もちろん人間も自然の一部なので、その人間からでてくる幾何学的な形も自然から発生しているもので あるとも言えますが・・・・)

しかし日本の庭は、自然にある形や釣り合いを守って、自然そのものの美を表現しています。これは素晴らしいことと思います。
または建物の場合、ヨーロッパで石が使われる一方、日本では木や藁、紙が使われ、それらの資材は人間にとって、冷たい石より優しく、より人間に近いのではないでしょうか。

私は、日本の伝統文化を知るようになり、自然の美しさがをもっと分かるようになりとても嬉しいです。
特に禅に影響を受けた日本の伝統文化には装飾が少な く、全てが深い意味を持っている宝物だと思います。もっと広くフランス人に、この日本の美を知ってほしいです。

しかし聖書に書かれているように、作られた自然より、自然を作った神の方への敬意が向かうべきです。
つまり、美しい絵画や建築物を見たときに、そのものよりもそれを創った人のことを考えると、そのすごさに気づくのです。


DATE : 2006.05.27